初期の「美味しんぼ」がなかなか骨太で面白い

最近、「美味しんぼ」を読んでます。特に初期の1巻〜20巻くらいまでですね。

美味しんぼは、それこそ大昔の10代の頃に古本屋で出会い、リアルタイムで出てたものも読みつつ、という感じだったのですが、いつしかあんまり読まなくなりました。雄山と士郎の対立もやや棘抜かれた感じだし、政治色強くなってきてあんまり面白くないな、と思ったのもあります。

ただ、ここにきて、Kindleで初期のものを買ってみて読んでみましたが、これがなかなか面白い。絵もあんまり洗練されてないですが、逆に勢いがあるように感じました。勝手な感想ですが、思ったところは以下です。

雄山の悪役ぶりが徹底されてる

もう、暴君として描かれてますね。
のちに、巻が進んでいくと、栗田ゆう子さんとも仲良くなって、頑固だけど本質わかってる人みたいになってきますが、初期はそうじゃない。もう壮絶に人をディスって傍若無人に振る舞う、ということで、士郎もそりゃ寄り付かないよな、と思わせる展開です。親だけどヒール、というポジションはあんまりないですね。今だったら、○ハラとか言われますが、時代的にそんなこともなく、芸術家だからしょうがないっか、という形で描かれてます。

士郎の能ある鷹は爪を隠すっぶりもまたすごい

単にダメっぷりをばっちり描いている、というところですけども。
会社では仕事せず酒飲んでばかり、だけども、肝心なところで、食に対する基礎が凄まじい&超絶芸術家の雄山の一人息子っていうサラブレッドぶり、で、獅子奮迅の大活躍、っていう、なんというか戦隊モノの問題解決みたいな感じです。いや面白いですね。
仕事中に競馬やりに出て行く、みたいな設定も、昔だからできただろうな、という感じもします。あれ?でも、ジョブ型雇用だったら、個人でキャラ立ちしてできそうかな、とも思いましたが、あくまで士郎も会社勤め、という設定が前提でしょうね。

人情話のストーリーがなかなか秀逸

キャラ設定は、雄山・士郎以外にも濃い人いっぱいいて整理大変ですが、ストーリーも初期は人情取り混ぜて、そんなことないだろうと思わせないギリギリを攻めていっていい感じになっているものが多いと思います。原作の妙ですね。
個人的に面白いと思うのは、4巻第2話「うどんの腰」6巻第2話「卵とフライパン」9巻第4話の「黒い刺身」、第10巻「乾物の滋味」なんかですね。
いずれも、挫折したり試練にあった人が、食べ物や料理をきっかけに何か思い直したりして、好転するっていう話です。だんだんこういう話は、美味しんぼでもそればっかりじゃな区なってきた印象ありますが、こういうのは面白いですね。現実的には、ご飯食べただけで、なんか考えを劇的に思い直すなんてことはなさそうですけども、あくまで漫画ですからね。面白くていいと思います。

ということで、久々に「美味しんぼ」読み返して面白かったという話でした。今のところ、初期のものしか買ってないので、もう少し買ってしまいそうな気がします。