本日放送されたこちらの番組を見ました。NHKプラスでスマフォで見ました。
坂本龍一さんの闘病の記録。一般的な撮影だけでなく、家族がとったと思われる映像も含まれていて、どのような様子かよく分かりました。
日記のようなメモに残された心持ち
病気になってから、おそらくiphoneのメモかと思いますが、日付と簡単な心持ちを日記として書いていたようです。それが公開されました。もちろんプライベートのものかと思いますが、それを公開されていました。
ガンが再発した時に、現実感がないという気持ちや自分の人生はもう終わりだ、などと、ご自身の心持ちをそのまま書かれています。今となっては、ありありとその時に坂本さんが思っていたことが改めてわかり、なんとも言えない気持ちになります。
高橋幸宏さんが亡くなった時の様子
YMOのメンバーだった高橋幸宏さんも、坂本さんが亡くなる約2ヶ月に亡くなられました。
闘病されていたのは報道などで知っていましたが、お互い闘病する身でお互い励まされていたようです。
2022年に幸宏さんが住われていた軽井沢に坂本さんが行かれた様子が映されていました。そのすぐ前に幸宏さんは入院されて、対面は叶わなかったようでしたが、幸宏さんの自宅にいかれて愛犬と戯れ、幸宏さんへのメッセージを送ったようです。
YMOファンとしては、同じ年に幸宏さん・坂本さんが逝かれてとても喪失感を覚えましたが、お二人がともに交流しながら闘われていた、ということが分かり、勝手ですが少し救われました。
完成しなかった未発表曲があった
映像の中で、オーケストラの曲の作曲に取り組んでいるという話がありました。
亡くなった後のスタジオにて、シーケンサーに制作完成間近だった曲を再生するシーンがありました。前々作の「async」が好きで結構聴いてましたが、それに近い感じの曲調だったような印象です。ともかく聴けて良かったです。
New Yorkの自宅にも戻っていた
坂本さんといえば、New Yorkに自宅があり、そこにスタジオを構えていました。
サウンド&レコーディングマガジンなどのメディアで、スタジオ紹介などの特集でよく見ていました。
手術をされて療養された後、体調がよくなった時にそのNew Yorkの自宅に戻られていた様子も映っていました。本を整理する様子などが映っていて、完全に戻る感じでなかったものの、ご自身が制作の拠点とされていた場所に戻ることはできたのは良かったのはと思います。
色々と食べたいものが出てくる
映像の中に、「みかんが食べたい」であるとか、良くなったら鰻を食べにいきたい、などと日記に書かれていたのを見ました。
食べるのも生きることかと思いますが、自分の体調も計りつつ、生きるための活力を焚き付けているようにも見えました。
読書をたくさんされていた
日記の中に、いろんな本を読んだ記録もあります。
「純粋性理性批判」などの、古典の本ほか色々読まれていたようです。ともに活動されていた浅田彰さんがインタビューに答えていて、やることがないから読書の相手もしていた、というようなことを言っていました。どこまでもインプットを止めることはなかったのだなと思いました。
東北ユースオーケストラの定演を見ていた様子
311の震災にあわれた若い人を中心に、東北でのオーケストラを音楽監督として指導されていました。定期演奏会にでも指揮されていたようです。
ニュースなどの報道で、無くなる数日前に行われた定期演奏会に、視聴した上で素晴らしかった、というコメントをされていたのを目にしました。さっと見たのかと思っていましたが、実際は病床でスマフォで視聴され、音楽に合わせて指揮し、朗読のコメントに感極まっていた様子が映っていました。一緒に演奏されていたのだと思います。
確か亡くなる数日前のことかと思いましたが、坂本さんの中には、最後まで音楽があったのだと思います。
とても心にくるドキュメンタリーでした。