3/31に放送されたNHKスペシャル「イチロー 最後の闘い」を見ました。イチロー選手は、先日日本での公式戦のあと現役引退を発表され、その前からNHKが密着取材をしていたということで、引退までの日々を追ったものです。
時代的に、イチロー選手の現役生活の間はずっと見ていて注目していたこともあったので、なかなか感慨深いものがありました。以下感想です。
大記録を作ったイチロー選手でもそこまでやるのか
今年は、開幕直後に日本での公式戦が予定されており、そこではメジャー枠が拡大されることもあり、イチロー選手がメジャー登録されることはチーム首脳陣からも名言されていました。当初はマイナー契約で、その後オープン戦で起用されて試合をしていきましたが、そこでなかなかヒットが出なかった。昨年は途中から選手登録を外れていて、実戦から遠ざかっていたのでその影響もあるかと言われていましたが、そのころメディアではイチロー選手が日本での公式戦後に引退する、という報道が出ていました。
結果からすると、そのような結末となりましたが、この番組を見ると、昨年オフから入念にトレーニングし、オープン戦で結果が出ないと、試合後に一人バッティングマシーン相手に打ち込みを延々続ける姿が映っていました。普通に考えると、殿堂入りするレベルの選手がそこまでやらないように思いますが、イチロー選手はそうではなかった。非常に感銘を受けました。
愛犬一弓が健在でよかった
確か2007年に、やはりNHKで「イチロースペシャル」という密着の番組があったように思いますが、そのときに、愛犬の一弓も映っていてかわいい姿を見せてました。そこから12年ほどたち、犬としては高齢ですがまだ健在な姿があってよかったですね。懸命に生きる姿にも影響を受けていると言っていて、家族以上の存在ですね。
神戸への愛着と人々とのつながりが感じられた
「日本復帰は考えなかったのか?」という質問に対し、「神戸にまだ球団があったなら考えた」ということを述べていました。以前在籍されていた、オリックス・ブルーウェーブへの愛着を感じさせる返答でした。シアトル・マリナーズへの復帰についても、同様に戻りたい気持ちがあった、ということを、別のインタビューで語っていましたが、日本でプレーしたオリックス、そして神戸の街へも同様、それ以上の愛着があったことをうかがわせています。
また、番組内で、神戸での自主トレを手伝う友人たち、それが野球選手のつながりではなく、行きつけの神戸の牛タン屋さんで知り合った方々で、もう10年以上前から続いているということでした。
以前のNumberでの記事で、神戸の牛タン屋でのふるまい、特に個室にこもるのではなくカウンターに座って、店の方や他のお客さんとの交流をしていることを語っていましたが、それが練習の手伝いまでしているとは思いませんでした。
イチロー選手ぐらいのスーパースターでも、ご本人がどう思われているかはともかく、人にはフラットに接するという姿勢が見えました。
これからは草野球のプロとしてやっていきたい、と引退会見で語っていたイチロー選手、まだまだ野球には関わっていくんでしょうね。平成も終わるけど、間違いなく時代を代表するスターだったな。